日中友好の祖「安倍仲麻呂」の生涯

大和の国(桜井市阿部)で生まれ、日中友好の祖とも言われた「安倍仲麻呂(あべのなかまろ)」、遣唐使で唐に渡ったが帰国することはできませんでした。

「天の原 ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に いでし月かも」
あまりにも有名な歌ですが、この歌はどういう気持ちで詠んだのでしょうか?

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安倍仲麻呂

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(▲阿部仲麻呂 『前賢故実』 出典:ウィキペディア)

安倍仲麻呂の父は安倍船守といい、中務大輔(なかつかさたいふ)という職で、中務省の次官に当たる高級官僚でした。
中務省は天皇に侍従し、詔勅文案を審議したり宮廷の庶務・位記や国史の監修など政治の中枢部の役所です。

仲麻呂は、高級官僚の家柄として文武天皇2年(698)に生まれました。
奈良県桜井市の安倍寺史跡公園の本堂跡が「仲麻呂屋敷」として幼少の頃住んでいたと伝わっています。

その後、藤原京から平城京に都が移った時、安倍一族も平城京に移り住みました。

遣唐使に派遣

仲麻呂は、若くして学力優秀であったため、霊亀2年(716)に吉備真備・玄昉らと共に遣唐使の一員として出発しました。

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(▲上海万博に際し復元された遣唐使船 出典:ウィキペディア)

唐では、優秀な中国人でも難関な科挙の試験に合格し、唐朝廷のエリートとして登用されました。

帰国の望みがかなわず

科挙の試験に合格する程の才覚あったため、朝廷の要職に就き出世するわけですが、望郷の思いにより37歳の時帰国を願い出ました。

しかし、既に唐の玄宋皇帝の信任が厚く帰国を許されませんでした。

義を慕い名は空しく在り
忠を愉しまんとすれば孝全からず
報恩日有る無く
帰国、定めて何れの年ならん

この時、このような歌を詠んでいます。

仲麻呂は、誠実な人柄と優れた文才であるため、「李白」とも交友があったと言われています。

やっと帰国の許可が

天平勝宝5年(753年)久しぶりに日本から遣唐使が派遣されてきたため、再度帰国を願い出ました。

この時の役職は、「秘書監兼衛尉卿(帝室図書館長)」の要職でしたが、年老いた両親への孝養という帰国理由としました。
当時の唐においては孝養を尽くす事が大切とされていたため、玄宗皇帝も拒むことができず帰国を許しました。

この時、仲麻呂は在唐30年を超え50才を過ぎていました。
第十二次遣唐使の帰国船に同乗し日本に向かうことになりました。

この遣唐使船団には、6度の渡航を試みた「鑑真和上」も最後の航海として船出することとなりました。

この時の遣唐使船は4艘で、第1船は遣唐正使の藤原正河と仲麻呂。第2船には福使の大伴古麻呂と鑑真和上。第3船にはもう一人の副使である吉備真備。第4船は布勢人主らが乗り込みました。

日本に出発するのは、11月15日の満月の時で、出発地である蘇州でよんだのが、
「天の原 ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に いでし月かも」

通釈
「大空をはるかに仰ぎ見れば、月が出ている――春日の三笠山から昇るのを眺めた月と、同じ月なのだなあ。」
故郷を思いながら、やっと帰ることができるとしみじみと詠んだうたです。

厳しい航海

当時の航海は危険を伴い、日本にたどり着くのは大変であったようです。

今回の船出も、乗船の割り当てにより運命が決まりました。
鑑真和上の第2船は、暴風雨に巻き込まれながらも、1ヶ月以上かかり12月20日に薩摩に漂流しました。

第3船は沖縄まで順調に航海しましたが、屋久島あたりから漂流し紀井(和歌山)まで流されました。

第4船は海上を5ヶ月も漂流し、翌年の4月16日に薩摩に流れ着きました。

しかし、仲麻呂の乗船した第1船は、沖縄まで順調に航海したのですが、沖縄から奄美に向かう途中で暴風雨に巻き込まれ漂流し行方不明となりました。

日本や唐では船は沈没したと思われていましたが、安南(現ベトナム)に漂着していたのです。
土民に襲撃され乗務員の大半は殺されてしまいますが、当時の安南は唐の支配下にあったため、長安に帰り着く方法はありました。

安南に漂着後2年間かかり、困難の末やっと長安にたどりつきました。
玄宗皇帝は、仲麻呂の無事を喜びました。

その後、鎮南都護(現ベトナムの州知事)に昇進しましたが、日本に帰ることはできませんでした。

日中友好の祖

玄宗皇帝の死後8年後の770年に、仲麻呂は72才で生涯を終えました。

玄宗の孫に当たる代宋皇帝は、仲麻呂の長年の功績を称え、潞州大都督の官位を与えました。

安倍仲麻呂は鑑真和上と共に、日中友好の祖として両国人々に慕われる存在となりました。

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(▲西安の興慶宮公園に立つ阿倍仲麻呂記念碑)

これは、西安と日本の奈良市の友好都市関係締結五周年を記念して、1979年7月1日に立てられたものです。

記念碑には、
「翘首望东天、神驰奈良边。三笠山顶上、想又皎月圆」
と中国語で刻まれています。

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