
節分(立春の前日)というと、「福は内、鬼は外」と声を出しながら鬼を追いかけるのが普通だ。
これは、季節の変わり目には邪気(鬼)が生じ、それを追い払うための悪霊ばらいとして行われてきたものと考えられている。
しかし吉野では、鬼と楽しく過ごすことができる節分式が行われる。
毎年2月3日には金峯山寺(きんぷせんじ)蔵王堂で節分の法要が行われ、その後「鬼の調伏式」が行われる。
調伏式では全国から「鬼は外」と豆を蒔かれて逃げ出した、赤鬼・青鬼・黒鬼が集まり境内に乱入する。
読経を邪魔する鬼達に対し、経典の功徳や法力・信徒らが撒く豆によって、荒れ狂う鬼たちを静め仏道に入らしめて終わる。
豆を蒔く時は、「福は内、鬼も内」と変わったかけ声が唱えらる。
この起源は、金峯山寺の開祖である役行者が法力で鬼を呪縛し、仏法を説いて弟子にした故事に基づくといわれている。
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「鬼の調伏式」の前には、鬼達が蔵王堂の前でいたずらをしたり、寝っ転がったりし仏前で傍若無人に振る舞っている。
鬼の調伏式の後で改心した鬼達は、行儀良くちょこんと座っているのが印象的だ。
その後、蔵王堂の前で大護摩が焚かれ、鬼達も大護摩の回りを踊り出す。
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金峯山寺 節分会・鬼火の祭典
日時
毎年2月1日~3日(鬼火の祭典)
3日(節分会)
11時~ 鬼の調伏式
12時~ 大護摩
13時~ 福豆まき
場所
金峯山寺蔵王堂境内ほか