
日本の八角堂のうち最も美しい「興福寺北円堂」。
もっと近くで見たい!!中の仏像に参拝したい!!という貴方はこの機会を逃してはいけない。
普段は柵の向こう側で近づけないが、春と秋の一時期だけ公開される。
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秋は、正倉院展(2016年10月22日~11月13日)とほぼ同じ時期に公開されるのだ。
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興福寺 北円堂特別公開
期間
2016年10月22日(土)~2016年11月13日(日)
09:00 ~ 17:00
拝観料
大人300円、中高生200円、小学生100円
場所
奈良市登大路町48 興福寺 北円堂
北円堂について
興福寺創建者・藤原不比等(ふひと)の一周忌にあたる養老5年(721)8月に、元明(げんめい)太上天皇と元正(げんしょう)天皇が発願し、長屋王に命じて完成させた。
興福寺伽藍の中で西隅に当たるが、興福寺が高台の位置にあるため平城京を一望の下に見渡すことのできる一等地である。平城京造営の推進者であった不比等の霊をなぐさめる最良の場所と考えたのであろう。
その後、永承4年(1049年)の火災、治承4年(1180)の南都焼討と焼失復興が繰り返された。
現在の建物は、承元4年(1210)頃に再建されたもので、現在の興福寺伽藍で最も古いものとなっている。
八角形をした仏堂で、八角円堂や八角堂呼ばれており全国的にもそう多くはない。
奈良県には、法隆寺東院夢殿(国宝)・法隆寺西円堂(国宝)・興福寺北円堂(国宝)・興福寺南円堂(重要文化財)・栄山寺八角堂(国宝)・薬師寺玄奘塔があり、国宝4カ所とその珍しさと美しさが評価されている。
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法隆寺東院夢殿 | 法隆寺西円堂 | 興福寺南円堂 | 栄山寺八角堂 |
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同じ八角円堂でも、全て雰囲気が違うのが魅力だ。
興福寺北円堂の一面は4.9m・対面径は11.7m、華麗で力強く鎌倉時代の建物であるにもかかわらず、奈良時代創建当初の姿をよく残している。
三手先斗栱(さんてさきときょう)、軒は三軒、地垂木は六角断面となっている。
堂内の仏像
内陣は天蓋が輝き、組物間の小壁には笈形(おいがた)が彩色されてる。
堂内には、運慶一門の手による本尊の木造弥勒如来坐像(国宝)、木造無著・世親菩薩立像(国宝)、四天王立像(国宝)が安置されている。
弥勒如来坐像
桧材 寄木造 彩色 彫眼 鎌倉時代 像高 141.9cm
運慶晩年の名作として知られ、像内には建暦2年(1212)の年号が書かれた願文などが納入されている。また、台座内枠には源慶、静慶、運賀、運助、運覚、湛慶、康弁、慶運、康勝ら慶派仏師の名が墨書されている。
木造無著・世親立像
桂材 寄木造 彩色 玉眼 鎌倉時代 像高 無著像194.7cm 世親像191.6cm
法相教学を確立した無著と世親の兄弟の彫刻で、弥勒如来像の両脇に安置されている。
運慶の指導のもとに無著像は運助、世親像は運賀が担当したことが知られている。
▲ 左 木造世親立像 右 木造無著立像
(出展:興福寺HP)
木心乾漆造四天王立像
木心乾漆造 漆箔 彩色 平安時代
像高 持国(じこく)天像136.6cm 増長(ぞうちょう)天像136.6cm 広目(こうもく)天像139.7cm 多聞(たもん)天像134.7cm
北円堂八角須弥壇の四方に安置されている。
四天王は、須弥壇の四方で邪鬼や仏敵から如来や菩薩・仏法を守る役目をする神である。
四天王に怒りをあらわし始めた初期の作品で、制作年が延暦10年(791)造立とはっきりしている像として注目されている。
(出展:興福寺HP)