
龍神伝説が生まれた、室生龍穴神社(りゅうけつじんじゃ)と吉祥龍穴(きっしょうりゅうけつ)。
室生龍穴神社は、室生寺から室生川に沿って1km登った渓谷の入口にある。
吉祥龍穴は、室生龍穴神社からさらに1.3km程度奥に行く山の中にある。
室生は、龍穴神社の神宮寺として開かれたという説があるほど、室生寺と龍穴神社は関係が深い。
室生赤目青山国定公園内に存在しており、室生火山群に属するため近くに倶留尊山や鎧岳・兜岳・屏風岩など独特の形をした山々や岩が多い。
▲鎧岳
このあたりの景色を見れば、龍神伝説が生まれたことは妙に納得出来る。
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室生龍穴神社
祭神は、高龗神(たかおかみのかみ)で、貴船神社や、丹生川上神社(奈良県吉野郡)では罔象女神とともに祀られており、 祈雨(きう)、止雨(しう)、灌漑の神として信仰されている。
奈良時代から平安時代にかけて朝廷からの勅使により雨乞いの神事が営まれた。
そして龍穴神社の拝殿が、杉の向こう側に見えてくる。
拝殿の前の大杉にも圧倒されるが、まずは前に進みお詣りすることとする。
拝殿の向こう側に本殿がある。
本殿は県指定文化財で、朱塗りの春日造りの一間社。寛文11年(1671)建立とある。
本殿の前方左右に、道主貴神社(市杵島姫命)と手力男神社(手力男命)の春日造り朱塗りの一間社が鎮座する。
本殿から奥の山々に龍神が住まわれているという、深い森がある。
吉祥龍穴
吉祥龍穴は、室生川沿いに少し進み、左折し林道四ヶ村線を山の中へと進む。道は細いが所々対向が出来るスペースがある。
坂を登った右側に、鳥居と「天の岩戸」と書いた看板が見えてくる。
天の岩戸と言われる、大きく割れた巨石にもパワーを感じる。
天の岩戸から少し行けば、吉祥龍穴への降り口が現れる。
吉祥龍穴は、ここから数十m下がった所にある。相当きつい急階段を下る必要がある。
石や切り株についた美しい苔に見とれるが、急な下り坂は滑りやすく注意が必要である。
滝の音が大きくなり、川が近づいて来ると「吉祥龍穴」の拝殿が見えてくる。
拝殿から、龍が住んでいるという「吉祥龍穴」を見ることができ、
ここから龍穴に引き込まれそうになる、圧倒的なパワーを感じ取ることが出来る。
吉祥龍穴の右側には滝があり、ここで龍が水浴びをするのであろうか。
拝殿から川側は、大きな一枚岩となっており滑りやすく、落ちたら川まで一直線に滑ってしまう。
史料
この史料は、今後読み込む必要があるので、忘備録としてアップしておく
龍穴神社(奈良県宇陀郡史料 大正6年10月発行)
龍穴神社(室生村史)
室生寺(室生村史)