
山という漢字の成り立ちは、山が3座連なった形ですね。
奈良には象形文字の起源みたいな美しい山があります。
宇陀市にある「額井岳」です。標高は812mで別名「大和富士」とも言われています。
山の形だけでなく、このあたり一帯は歴史の宝庫なんです。
熊野から八咫烏に導かれ宇陀入りした神武天皇の「楯を並べて伊那佐の山の木々の間から敵を見張って戦ったので、私は飢え疲れてしまった。鵜飼部の仲間よ、たった今援けに来てくれ」という古謡に出てくる鵜飼部の末裔とされる額井が甘南備として仰いだ神体山です。
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十八神社(じゅうはちじんじゃ)
額井岳の登山口にある神社です。ここからの景色は最高です。
読み方は「いそはじんじゃ」と読む人もいますが、神社庁のホームページでは「じゅうはちじんじゃ」となっていますので、こちらが正式な読み方と思います。宇陀市に三十八神社(みそはじんじゃ)があるので混同したのかもわかりません。
朱色が美しく、無人の神社としては、よく手入れされている神社です。地元の人々の信仰で大切にされていることがわかります。
アクセス
奈良県宇陀市榛原額井614
山部赤人の墓
額井岳の麓には「山部赤人の墓」と言われている場所があります。
「山部赤人」は奈良時代の歌人で、百人一首の「田子の浦にうち出でてみれば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ」は誰でも知っていますね。
自然を愛したことから自然歌人ともいわれています。額井岳の東麓、東海自然歩道沿いには高さ210㎝の五輪塔が立つ。ただし、この塔は鎌倉時代の建立とみられ、赤人の墓という確証はありません。山辺という地名と大和富士から生じた伝説という説もあります。
出典>>大和路アーカイブ