春を告げる東大寺二月堂のお水取りとは?

奈良に春を告げる行事といわれている「東大寺二月堂のお水取り」ですが、どういう行事でしょうか?

お水取りというと、よく二月堂を燃え上がる大きな松明(たいまつ)をもった僧侶が走っている姿をテレビで見ます。

松明から降り落ちる火の粉が無病息災をもたらすと言われているため、火の粉をかぶる二月堂舞台の下にはたくさんの参拝者が集まります。

お水取りは、東大寺の鎮護国家・天下泰安・五穀豊穣などの幸福を願う「修二会(しゅにえ)」という行事の中の儀式の一つです。

これは、天平時代の霊水信仰である日本の原始信仰が起源で、典型的な神仏習合行事として知られています。

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修二会

3月1日深夜、あたりの気を払い、11人の僧侶が次々とお堂に入って行く、ドッ ドッ ドッ ドッと床を踏み鳴らす音が響く、14日に渡る大法会「お水取り=修二会」の始まりである。
僧たちは、世の人々に代わって、観音菩薩にその罪の許しを乞い、除災招福を祈り、修法(すほう)を行う。連日の行である。
さらに密教や修験道、神道、民族、外来の要素まで取り入れ、稀有な大法会は伝えられた。
古からの人々は、勇壮なお松明で知られるこの大法会に大きな期待をかけ、祈りを込めてきた。
出典:「東大寺お水取り」佐藤道子著より

東大寺二月堂の修二会は、天平勝宝4年(752)、東大寺開山良弁僧正(ろうべんそうじょう)の高弟、実忠和尚(じっちゅうかしょう)が創始されました。

2016年には、1265回と一度も途絶えることなく続けられてきた「不退の行法」とも言われる伝統ある行事です。
正式名称は「十一面悔過(じゅういちめんけか)」といい、二月堂の本尊十一面観世音菩薩の前で懺悔することを意味します。

修二会は元々、陰暦2月に行われる法会(ほうえ)を修二月会(しゅにがつえ)といい、インドの正月にあたり仏への供養を行うと古来からいわれてきました。

そのため、陰暦2月1日から14日まで行っていたのですが、今では3月1日から14日まで実施されています。二月堂の名前の由来もここからきています。

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法会は、6時(一日を日中、日没、初夜、半夜、後夜、晨朝の6つに分けたもの)にわたって行われ、それぞれ十一面悔過が唱えられます。そして下記の日程の行事も加えられます。

3月5日は「実忠忌(修二会を創始された実忠和尚の命日)」法要
3月7日は「小観音」法要
3月12日は「お水取り」
3月12日・13日、14日は「達陀(だったん)」行法
3月15日は「涅槃講」を務めて終了

修二会の配役は、前年12月16日の良弁僧正の開山忌に発表され、前行というべき戒壇院の別火防に2月20日に入り、一般の生活と別離されます。

2017年の練行衆
【四職(ししき)(役職者)】
和上(授戒者)=平岡昇修(上之坊)
大導師(祈りの先導役)橋村公英(北林院)
咒師(しゅし)(密教・神道作法担当)=上司永照(持宝院)
堂司(どうつかさ)(進行監督)=鷲尾隆元(地蔵院)
【平衆】北座衆之一=上野周真(真言院)
南座衆之一=尾上徳峰(福岡・祥明寺)
北座衆之二=中田定慧(奈良・隔夜寺)
南座衆之二=狹川光俊(上生院)
中灯=平岡慎紹(金珠院)
権処世界(ごんしょせかい)=北河原公慈(中性院)
処世界=清水公仁(宝厳院)

別火防では、用いる火を世間とは区別する「別火」が行われ、前半の2月20日から26日「試別火(ころべっか)」といい声明の稽古や各種の準備が行われます。(閏年は1日ずれる)

2月27日以降の後半を「惣別火」といい、紙衣(かみこ)という仙花紙で作った紙の衣となり、特定の場所以外では 私語も一切禁止となり、食事以外の茶湯などの飲食も自由にできなくなります。

お水取り

お水取りは、二月堂の下にある閼伽井(あかい)屋の中の井戸に、咒師(じゅし)を先頭とする7人の練行衆が閼伽水(香水)を汲みに行く行事です。
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二月堂縁起によると、天平の昔に若狭国の遠敷明神(おにうみょうじん)が、魚を採っていて修二会における諸神の勧請に遅れたため、そのわびとして遠敷川の神水を二月堂観音にささげたものとなっています。

儀式は、12日後夜の五体の途中で勤行を中断して行います。閼伽井屋の中には咒師と補助する一部人以外入る事ができず、井戸から水を汲む作法は、咒師以外知る事のできない神秘的な儀式です。

「お水取り」で内陣に運ばれたお香水は、大きな桶の中でしずめられた後、13日の神名帳、大導師の祈りの間に晒の布を用いて濾され、須弥壇下の石敷きに埋め込まれた甕(かめ)の中に納められます。

その内の一つは「根本香水」を納める甕で、汲まれた水を毎年追い足ししてたくわえています。行中にこの根本香水を使用して減った分を補充するので、「お水取り」の歴史の分だけのお香水が渾然一体となったものといえます。

これ以外にその年に汲まれた水をいれる甕があり、それを「次第香水」といい二月堂の湯屋の井戸水で割ったものを小瓶に入れて二月堂受納所で一般に頒布されています。

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(13日午前1時頃(12日後夜)に南側石段(青石段)を下るときに、滑らないように石段の上部と下部3段に線刻模様が彫られています)

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(▲ 江戸時代のお水取りの様子)
江戸時代から観光客が多かったようですね。

お松明

お松明は、本来、二月堂に上堂する練行衆の道明かりとして灯されたのがはじまりです。そのため、修二会期間中の3月1日から3月14日に毎日あげられています。

期間中12日の籠松明が有名で、特別大きなお松明があげられます。

お水取りには、手松明・加供松明・走り松明・達陀松明・大松明・籠松明・小松明と多くの種類と数量が必要となります。⇒詳細

大松明・籠松明は、長さ4間(約7.2m)の松明竹を用い豪華さを競っていますが、あまり大きすぎると堂を炎上させるので古練達が若い童子を指導しながら手作りしています。

用材は松を中心とし藤蔓で巻き火の付きやすい「油分を含んだ松のジン」を加えて作成します。
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(写真出典:なら観光ボランティアの会)
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(写真出典:奈良市観光協会)

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(▲ 江戸時代の大松明の様子)

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お松明開始時刻と本数
月日 時間 本数
3月1日~11日
3月13日
19時 10本 約20分間 ※土曜・日曜は特に混雑が予想される
3月12日 19時半 11本 約45分間(奈良公園周辺の交通規制、二月堂付近への入場規制有り) ※ニュースなどをごらんになって、お松明は、「お水取り(翌朝午前一時半頃)」の行われるこの日だけしか見られないと思っておられる方が多く、この日は大混雑が予想される。このため、お松明を見ていただくことが出来ない場合があることをご承知下さい。また、当日は警察・機動隊の規制・誘導に従ってください。
3月14日 18時半 10本 約10分間(短い時間でお松明が連続して上がっていく)
※混雑が予想される

二月堂の下にある「お松明」を見ることの出来る広場には、3千~4千人の人が入れます。しかし、3月12日には毎年2万~3万人の方が来られるため、警察官の誘導により、やむを得ず、交代で見ていただき、第2拝観席へ回っていただく場合があります。
(出典:東大寺HP)

練行衆が登り廊(北石段)を上がる時、足元を照らす大松明が焚かれ、これを「松明上堂」と云い、練行衆11人の内1人は処世界役で松明を焚かず、一足先に本堂へ上がって掃除をされるから、お松明は下座の練行衆から順に10名分10本、間をおいて上堂します。

3月1日~13日は、お松明が回廊に1本ずつ上がり、向かって欄干の左角から突き出して振られ、その後、童子が振り回しながら右へ移動して、また、欄干の右角から突き出されて振られた後、お松明は回廊を右へ廻って消され、そして、次ぎのお松明が上がるので、全てのお松明が上堂するのに20分以上掛かります。

3月12日の夜に焚かれる大松明は特大で、孟宗竹の先に杉枝を薄い杉板で駕籠の様にして包み、藤蔓(ふじづる)で縛った「籠(かご)松明」です。普段の2倍80キロもあり、この日は一度上堂した処世界役が本堂から下りて、再度の上堂に籠松明が焚かれるので、11名分11本の籠松明が焚かれます。

3月14日はフィナーレで、18時半頃~、練行衆10名が10本のお松明と共にいっぺんに上堂し、お尻に火が付きそうなので「尻付け松明」と呼ばれ、上堂すると本堂の舞台の欄干上に10本全てのお松明が並んで振り回され、10分ほどで終わるので、早めに行かないと見逃します。

「青衣の女人」の伝説

1200年以上続く「修二会」には、数々の伝説が伝えられています。

その中でも有名な「青衣(しょうえ)の女人」の伝説について紹介します。

1210年頃(承元年間)の修二会で集慶(しゅうけい)と云う練行衆が過去帳を読んでいると、目の前に青い衣の女人が忽然と現れ、「なぜ我が名を読み落としたるや」と恨めしげに云ったので、とっさに着衣の色を見て「青衣の女人」と読上げると、にっこり笑って掻き消えました。それから過去帳の朗読では、必ず呼ばれているが、その女人が何処の誰なのか、今もって誰も知らないそうです。
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3月5日と12日、東大寺を建立した聖武天皇を筆頭に、ゆかりの人々の名前を読み上げる「過去帳」が朗読される。

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(修二会主要行事時刻表)

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