興福寺の「天燈鬼」「竜燈鬼」の魅力を探ってみた!!(奈良市)

奈良の興福寺には、阿修羅像や興福寺仏頭など素晴らしい国宝美術品が多数ある。

その中でもユニークな美術品として、ひょうきんな表情をした「天燈鬼(てんとうき)」「竜燈鬼(りゅうとうき)」という彫刻がある。
一般的に鬼は邪鬼という形で、四天王などに踏まれている形が多く、主役となっている彫刻美術品は珍しい。

「天燈鬼」は、頭上に2本角があり、目は3個で、開いた口には鋭い牙があり、筋肉隆々とした体で、左肩に灯籠を担いでいる。

「竜燈鬼」は、上半身に竜を巻き付け、頭上に灯籠をのせて上目づかいでバランスを取ることに集中している表情が可愛い。

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(▲左側が竜燈鬼・右側が天燈鬼   写真:毎日新聞社「天燈鬼・竜燈鬼」より)

興福寺の国宝館に安置されている、これらの像の魅力を探ってみる。

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ひょうきんな小鬼・竜燈鬼

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(▲ 写真:毎日新聞社「天燈鬼・竜燈鬼」より)

ギザギザ眉毛と大きな目で、上目づかいにして見上げている表情が愛らしい竜燈鬼。

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(▲ 写真:奈良六大寺大観 興福寺二)

頭に乗せている灯籠を外すと、河童みたいにも見える。

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(▲ 写真:毎日新聞社「天燈鬼・竜燈鬼」より)

肩から胸に巻き付けた竜の尻尾を右手でにぎりしめ、左手はその手首をかかえている。

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(▲ 写真:毎日新聞社「天燈鬼・竜燈鬼」より)

腰には皮を巻かず褌だけをつけている。

左手で灯籠を持つ小鬼・天燈鬼

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(▲ 写真:毎日新聞社「天燈鬼・竜燈鬼」より)

左手一本で、蕎麦の出前を持っているような天燈鬼。

頭に二本の角をつけ、3つ目であるが全然怖くないむしろ可愛い。大きな口を開け何を叫んでいるのだろうか?

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(▲ 写真:毎日新聞社「天燈鬼・竜燈鬼」より)

しかし、角度を変えて見ると確かに鬼の表情をしている。

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(▲ 写真:毎日新聞社「天燈鬼・竜燈鬼」より)

腰の周りには獣皮を巻き、腰をひねり左肩に乗せた灯籠のバランスを取っている。

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(▲ 写真:毎日新聞社「天燈鬼・竜燈鬼」より)

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自燈明・法燈明の教え

「自燈明」「法燈明」とは、お釈迦さまが入滅する時に弟子に言われた「自らを燈火とし、法を燈火となせ」という言葉である。

「自分の足元をしっかり見定め、仏の教えを頼りに修行をしなさい」というような教えであろうか。

私たちの心は、煩悩によりいつも暗闇の中をさまよいふらふらしている。その心の動きに合わせて魔障(ましょう)を持ち込もうとする悪鬼と、その魔障から守ろうとしてくれる善鬼がいる。

悪鬼は人の心だけでなく、それを救おうとする仏たちの妨害をしようとする。

天燈鬼・竜燈鬼は、闇夜を照らす灯台のように、煩悩にさまよう人々を導いてくれる明かりである燈火を守っている善鬼である。

天燈鬼・竜燈鬼立像

【国宝】天燈鬼・竜燈鬼立像
木造・彩色/天燈鬼像高77.9cm.竜燈鬼像高77.3cm
鎌倉時代1215年製作 康弁作(運慶の3男)

享保2年(1717)の西金堂の火災消失にまぬがれた像の1つで、「天燈竜燈」と記されている。
竜燈の腹内に墨書きの紙片が納められており、康弁が建保3年(1215)製作と記録されている。

2つの像の彫り口が若干違い、天燈鬼・竜燈鬼は同時に作られたので、天燈鬼は康弁に近い他の仏師が作った物と考えられる。

動きの一瞬をとらえた天燈鬼と、がっしりと大地に根を下ろしたような竜燈鬼。対照的に作り上げ動と静の一組としてまとめあげたことは素晴らしい。

骨格・筋肉・血管などリアルに彫り上げられていて、鎌倉彫刻の特徴がよく表れている。
四天王の足下に踏みつけられている邪鬼を解放し、灯籠を仏前に捧げる小鬼の発想は、他に例のない珍しく楽しい彫刻作品である。

現在2体とも彩色はほとんど剥がれているが、元は檜の木地に白土を塗りこれに彩色している。

天燈鬼は、肌色に朱・髪の毛に暗い赤・肩布に緑青・獣皮の裏にも緑青が使われたようである。

竜燈鬼は、肌色が緑青・髪の毛は焦げ茶色に細い金箔貼っている。

像は内刳り(像の割れを防ぐために内側をくり抜いたもの)を行っている。

玉眼は、目の穴を内刳りまで貫通させ、磨いた水晶の玉を内側から入れ、その裏に直接瞳を描き、白い和紙を白目として当てて、木材で内側から押さえる技法で製作されている。

瞳の色は中心が黒でその周りは同心円状に金の輪と緑の輪を囲んでいる。
白目は、天燈鬼は白で、竜燈鬼は金色に塗っている。

西洋や中国の彫刻には、表から色石や色ガラスをはめ込む技法はあるが、内側から目を入れるのは日本独特のものである。

アクセス

天燈鬼・竜燈鬼の安置場所は、興福寺国宝館である。
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奈良県奈良市登大路町48

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拝観時間9:00~17:00(入館は16:45まで)
年中無休

国宝館拝観料
個人 団体(30名以上) 身障者
大人
(一般・大学生)
600円 500円 300円
学生
(中学・高校生)
500円 400円 250円
小人
(小学生)
200円 150円 100円
国宝館・東金堂連帯共通券(拝観料)
個人・団体
大人
(一般・大学生)
800円
学生
(中学・高校生)
600円
小人
(小学生)
250円

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